東京都 台東区の税理士 清水和男税理士事務所

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各種の新型コロナウイルス感染症関連補助金等について

 国の新型コロナウイルス感染症対策として、個人に対する特別定額給付金(10万円給付金)をはじめ、中小企業者・個人事業主に対する持続化給付金、そして自治体では、それぞれの補助金の支給が発表され、申請受付、給付が始まっています。また、緊急事態宣言の延長により、5月7日以降について、各自治体では若干の追加額の表明がありました。

 それぞれ、その対象事業者の要件について、微妙な違いもあり、大雑把に整理してみたいと思います。国、東京都、千葉県、神奈川県そしてそれぞれの詳細は、当事務所のホームページをご覧ください。

売上減少に対する給付が国の持続化給付金、休業要請に対する協力が自治体の協力金

 いずれも共通するのが中小企業者と個人事業者に対するものであることだ(中小企業者の定義の仕方に若干の違いがあることを除く)。また国の持続化給付金の対象からは、「性風俗関連特殊営業」とこれに関する「接客業務受託営業」が除かれている。

 4自治体の給付金については、期間中、休業要請に対して応ずることが条件になっている。千葉県の「千葉県中小企業再建支援金」は、これに加えて、国の持続化給付金と同じく、前年(前期)と比較して50%以上減少した月があること、という要件がついている。そして、支援金の額に、賃借している事業所がある場合、上乗せするという形になっている。賃借している事業所の上乗せは神奈川県にもある。

国の持続化給付金の対象となる事業者

 支給対象となる事業者の要件、支給額は、次のようになっている。

  1. 資本金額又は出資金総額が10億円未満であるか、常時雇用の従業員数が2,000人以下であること(令和2年4月1日時点)(中小法人という)または個人事業者であること。ただし、3分の2以上の構成員が中小法人又は個人である組合などは含み、「性風俗関連」事業者は除き、公共法人、政治団体、宗教団体は除かれる
  2. 令和元年(平成31年)以前から、事業収入を得ており、今後も事業を継続する意思があること。平成31年の中途から、事業収入を得ている場合は含む(計算の特例有るが、事業収入がない場合は、適用されない)
  3. 令和2年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があること
  4. 既にこの給付金の申請をした者でないこと(一回のみの適用)
  5. 申請期間は、令和2年5月1日から令和3年1月15日までで、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月について、その月の売上高×12カ月(1年換算額)を、前期(前年)の売上高からマイナスした金額(いわば、見込減収額)を給付する考え方になっている(しかし、頭打ちが法人200万円、個人100万円)。
  6. この給付金は、特別定額給付金(10万円給付金)と違い、法人税、所得税では課税収益(収入)となるが、通常は50%以上減少した月があると、課税利益がでるかどうか。また、消費税は非課税(課税対象外)となる。

 国の給付金などの詳細はこちらから

 東京都の感染防止協力金の仕組み

 支給対象となる事業者の要件、支給額などは、次のようになっている。

  1. 東京都内に事業所があり、かつ中小企業基本法に定める中小企業で、大企業の経営参画がないもの、または個人事業主であること
  2. 令和2年4月10日以前から、適法な許認可を得て運営し、今回の緊急事態措置により休業または営業時間短縮の協力要請をされていること(遊興施設、塾、学校等、要請の対象となる施設
  3. 緊急事態措置苦全ての期間(R2.4.11~R2.5.6、ただし延長に伴い追加措置が予定されている)のうち、少なくとも4月16日から5月6日までの全て期間、要請により、休業または19時以降の酒類の提供取りやめと20時までの営業短縮とすること(要請対象施設を参照)
  4. 代表者、役員または使用人、構成員等が、暴力団関係でないこと
  5. 申請期間は令和2年4月22日から6月15日までとなっている
  6. また、専門家(東京都内の青色申告会、税理士、公認会計士、中小企業診断士及び行政書士)の確認を受けることが望ましいこと
  7. 支給額は、50万円(2事業所以上で休業等を行う場合、100万円)

 東京都の感染拡大防止協力金の詳細はこちらから

千葉県の中小企業再建支援金の支給要件など

 千葉県の給付金は、国の持続化給付金の性質(再建支援金)と、東京都の要請に対する協力金の性質に、事業所を賃借している事業者への支援金の性質を加味している。

  1. 中小企業基本法の中小企業のうち、①卸売業、②小売業、③サービス業、④製造業、建設業、運輸業、その他の業種(①~③を除く)及び個人事業主(農業、林業、漁業は除かれることになる)
  2. 新型コロナウイルス感染症の拡大により、令和2年1月から令和2年7月のうち、任意のひと月の売上高が、前年同月と比較して、50%以上減少していること
  3. 千葉県内に「主たる事業所」(法人の場合、確定申告書の納税地、個人の場合、青色決算書または白色の収支内訳書の事業所所在地)を有していること
  4. 今回の緊急事態に伴う協力要請を行った施設を有する者(千葉県中小企業再建支援金申請要領(令和2年5月7日版)の24ページ以降参照)については、令和2年4月22日から5月6日までの全ての期間において、その要請に応じていること
  5. そのほか、事業内容が公序良俗に反するおそれがないこと、関連法令等を遵守していること、及び「暴力団排除に関する規定」を遵守していること
  6. 申請期間は、令和2年5月7日から令和2年8月31日までとなっている
  7. 支給額は、賃借している事業所(底地の賃借を含む)の数に応じて次のように決められている
    1. 賃借している事業所がない場合          10万円
    2. 1事業所を賃借している場合            20万円
    3. 複数の事業所を賃借している場合         30万円
  8. 5月7日から5月31日まで緊急事態宣言が延長されたことに伴い、支給額は、上記7の金額にそれぞれ10万円を加算する(ただし、休業要請対象業種については、5月31日まで(その前に要請が終了したときは、その日まで)休業要請に応ずることが条件となる)

 千葉県の中小企業再建支援金の詳細はこちらから

神奈川県の感染症拡大防止協力金と埼玉県の中小企業・個人事業主支援金

 神奈川県は、休業等の要請対象施設を「食事提供施設」と「食事提供施設以外」とにわけ、かつ賃借事業所の数により、給付金の額を10万円から30万円としている(延長に伴い、千葉県と同様、5月31日まで休業または営業時間の短縮(食事提供施設)した場合のみ、10万円が追加措置として上乗せされる)。

 神奈川県感染症拡大防止協力金に詳細はこちらから

 埼玉県は、東京都と同様の仕組みにより、休業、売上がない日があった場合、営業時間短縮、店内営業の休止の別により、日数換算し、20日以上の休業・営業時間短縮を条件として20万又は30万(県内の複数の事業所を休業している場合)の給付金を支給する。また、緊急事態措置の延長に伴い、追加的な方針を発表しているが、報道による10万円の追加支援金については、5月7日現在、正式な発表はない。

令和2年5月8日