東京都 台東区の税理士 清水和男税理士事務所

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事業所得者などの帳簿備え付け義務化

 平成23年12月の改正で、白色申告の事業所得者などの記帳義務が改正されました。従来、前々年分または前年分の事業所得などの金額が300万円を超える場合についてのみ定められていた帳簿の記帳義務が拡張され、300万円以下の個人事業所得者などについても、平成26年1月から、新たに記帳義務及び記録保存義務が設けられました。
 青色申告者の場合、その「特典」として、調査による更正の制限があることから、帳簿の記帳義務の新設により、青色申告者への移行を勧めます。

新たな記帳義務の対象者は、事業所得者、不動産所得者など

 新たな記帳義務の対象となる人は、青色申告者(青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている者)以外の事業所得者等です。すなわち、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務をおこなう個人が対象となります。

作成・保存すべき帳簿書類

 作成保存すべき帳簿は、「これらの所得に係る総収入金額及び必要経費に関する事項」を簡易な方法により、「整然と、かつ、明瞭に記録」したものとされています。

 具体的には、売上帳その他の収入帳、仕入帳、経費帳が挙げられています。その記載内容としては、売上帳については、「取引の年月日、売上先その他相手方及び金額並びに日々の売上の合計金額」とされています。ただし、「少額な現金売上」、「小売その他これに類するものを行う者の現金売上」、「保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引」については、「日々の合計金額のみを一括記載する」ことができることとされています。
 また、掛売上で「保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取った時に現金売上として記載」し、「年末における売掛金の残高を記載する」方法によることができることとされています。
 また、仕入帳、経費帳についても、売上帳と同様な簡略化が認められています。

 このほか、「これらの業務に関して作成したその他の帳簿」および「これらの業務に関して作成し、又は受領した」棚卸表、請求書、納品書、送り状、領収書その他これらに類する書類及び自己の作成したこれらの書類の写しも保存することとされています。

帳簿・書類の保存期間

 帳簿・書類の保存期間はそれぞれ下記のようになっています。

保存が必要なもの 保存期間
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)  5年
書類 決算に際して作成した棚卸表その他の書類

5年

業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類

 税務調査に際しての取扱い

 青色申告者について税務調査の結果、更正する場合には、原則として「その居住者の帳簿書類を調査し、その調査によりこれらの金額の計算に誤りがあると認められる場合に限り、これをすることができる」のに対して、白色申告者の場合には、「調査に際しては、・・・帳簿を検査するものとする」とあるだけで、更正に際しての制限規定はありません。これは、青色申告者の場合、原則として「正規の簿記の原則に従い、整然と、かつ、明りょうに記録し、その記録に基づき、貸借対照表及び損益計算書を作成しなければならない」とされることにより、その帳簿に証拠能力を認めていることにその根拠があります。